
Celebrating
the 5th Hideyo Noguchi
Africa Prize Award
第5回 野口英世アフリカ賞受賞を祝して
「第5回野口英世アフリカ賞授賞式」(首相官邸ホームページ)を加工して作成。
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202508/22noguchishou.html


Advancing the Mission Inspired by Dr. Noguchi
受け継がれる野口博士の意志
アフリカで築いた
20年以上の信頼が実を結ぶ
DNDiは2025年、日本政府より栄えある第5回野口英世アフリカ賞を受賞しました。 野口英世アフリカ賞は、細菌学研究に生涯を捧げ、アフリカで黄熱病の研究中に亡くなった日本の医学者野口英世博士(1876-1928)にちなみ、2006年に日本政府によって創設されました。
ロゴ提供:内閣府 野口英世アフリカ賞担当室
野口英世アフリカ賞について
この賞は、基礎医学および臨床研究に焦点を当て、主にアフリカの地域社会に影響を及ぼす感染症に取り組む組織や個人の努力を称えるものです。
同賞詳細は「内閣府・野口英世アフリカ賞公式ホームページ」 をご参照ください。
写真出典:野口英世アフリカ賞ホームページ
https://www.cao.go.jp/noguchisho/index.html
評価された疾病制圧への貢献
DNDiは、「疾病の制圧および公衆衛生を向上させるための現場レベルの医療・公衆衛生活動」に焦点を当てた「医療活動分野」で受賞しました。特に顧みられない熱帯病の一つであるアフリカ睡眠病(ヒト・アフリカ・トリパノソーマ症)に対する新規治療薬の開発と提供における功績が評価されました。

Award ceremony and
related events
第5回野口英世アフリカ賞授賞式
および関連行事
医学研究分野受賞者
アブドゥライ・ジムデ博士(マリ共和国)
医療活動分野受賞者
DNDi代表 ルイス・ピサロ
授賞式
2025年8月22日、「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」に合わせて、 石破茂内閣総理大臣(当時)主催の授賞式が開催されました。 天皇皇后両陛下のご臨席のもと、アフリカ諸国の首脳、TICAD9共催者、 国内外の保健医療関係機関の代表、野口英世アフリカ賞選考委員など約140名が見守る中、 医学研究分野の受賞者であるアブドゥライ・ジムデ博士とDNDi代表ルイス・ピサロ氏に対し、石破内閣総理大臣から賞が授与されました。
授賞式の様子
天皇皇后両陛下
石破茂 内閣総理大臣(当時)
國井修 選考委員長
アフリカ連合 (AU) 議長のジョアン・マヌエル・
ゴンサルヴェス・ロウレンソ・アンゴラ共和国大統領閣下
DNDiの受賞を記念し、ロジェ・ドゥバッハ駐日スイス大使(左)が来臨
決意を新たに
「この度の受賞を通じて、アフリカを中心に顧みられない熱帯病に苦しむ10億人以上もの人びとに光が当てられたことに、心より感謝申し上げます。こうした患者の存在が忘れ去られることのないよう、私たちは引き続き尽力していきます。」
DNDiの臨床試験責任者であり、コンゴ民主共和国から来日したウィルフリード・カロンジ・ムトンボ。 彼はコンゴ民主共和国で臨床医師としてアフリカ睡眠病患者の治療にあたってきた経験を有しています。
Following the footsteps of
Dr. Hideyo Noguchi
野口英世博士の足跡を辿って
そして感染症に取り組む
研究者らと交流
授賞式後受賞者は、野口博士ゆかりの地である横浜や福島を始め、大阪および長崎を訪問し、講演活動等 を行いました。DNDiからは、代表ルイス・ピサロの他、西・中央アフリカ地域事務所 臨床事業責任者ウィルフ リード・ムトンボ、DNDi Japan事務局代表 兼 DNDi 事業開発ディレクター 井本大介が参加しました。







横浜Yokohama
長浜ホールの記念碑へのプレート設置セレモニー (長浜野口記念公園内)
野口英世博士が検疫医官補として勤務した旧細菌検査室 (長浜野口記念公園内)
福島Fukushima
福島市Fukushima City
福島県知事主催の昼食会では、
福島県の食材をふんだんに使用した
心づくしの昼食を堪能しました。
内堀雅雄福島県知事から国際交流特別親善大使認証書授与
耶麻郡猪苗代町Inawashiro Town, Yama District
野口博士の生家が残る野口英世記念館を訪門。
施設の案内は、公益財団法人野口英世記念会の理事長であり記念館館長を兼務される倉根一郎氏が自ら務め、展示の背景や野口博士の功績について丁寧に説明してくださいました。
倉根氏の解説を通じて、来訪者は博士の研究に込められた情熱と、その歴史的意義をより深く理解することができました。
野口英世記念館にて
記念館内の展示の様子 _1 (DNDi撮影)
記念館内の展示の様子 _2 (DNDi撮影)
歴史の重みと研究者の情熱
ピサロは、展示されていた野口博士ゆかりの品々に深い関心を寄せました。博士が実際に手にした医療器具や、当時の暮らしを再現した家屋の様子を前に、ピサロは熱心に見入っていました。歴史の重みと研究者の情熱が息づく空間で、「科学の歩みが人類の未来を切り拓く」という思いを新たにした様子でした。
野口英世青春館にて
会津若松市Aizu-Wakamatsu City
野口博士が青春時代を過ごした会津若松市にある野口英世青春館を訪問し、同市の高校生との意見交換会に参加。 ムトンボは、自身の娘と同じ世代にあたる日本の高校生たちとの交流を心から楽しみました。 井本は、サイエンスに対する特に女子生徒の関心の高さに感銘を受けました。
高校生との意見交換会
大阪Osaka
大阪大学Osaka University
大阪大学感染症センターや企業等を訪れ、
大阪大学で講演。
大飯大学講演会
大阪大学 金田安史特任教授、菊池章特任教授、坂田恒昭特任教授と
長崎Nagasaki
長崎大学Nagasaki University
研究およびアドボカシー活動での協業で
DNDiと関係の深い長崎大学で講演。
長崎大学講演会
長崎大学 永安武学長、北潔教授、金子聡教授と
長崎大学熱帯医学 グローバルヘルス研究科長の北教授、同研究科の皆さんと (DNDi撮影)
授賞式・関連行事の写真出典、提供:
内閣府野口英世アフリカ賞担当室・野口英世アフリカ賞ホームページ
https://www.cao.go.jp/noguchisho/newsletter/newsletter-23.html


Message
ご挨拶
第5回野口英世アフリカ賞という栄誉ある賞を受賞できたことは、DNDiにとって大きな励みであり、これまで支えてくださったすべての方々への感謝の証でもあります。 特に、全国訪問や授賞式の準備・運営を丁寧にアレンジしてくださった内閣府野口英世アフリカ賞担当室の皆さまには、心より御礼申し上げます。皆さまのご尽力により、今回の受賞がより意義深いものとなりました。 私たちは今後も、顧みられない病気に苦しむ人々のために、現場に根ざした医療・公衆衛生活動を推進し、より公平な医療アクセスの実現を目指してまいります。皆さまの温かいご支援とご関心に、心より御礼申し上げます。
2025年12月吉日
- DNDi Japan 事務局代表 兼
DNDi 事業開発ディレクター - 井本 大介
In the media
関連報道
今回の受賞は、国内外のメディアで広く報道されました。
以下にその一部をご紹介します。
DNDiは、利益より患者のニーズを優先し、顧みられない熱帯病に挑戦。国際的支援と連携でアフリカ睡眠病向け初の経口治療薬を開発し、制圧に寄与。その功績が野口英世アフリカ賞受賞に結びついた。(約6分半)
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