DNDi Japanについて
DNDi Japanは、2003年に日本の活動を開始し、2009年に特定非営利活動法人として東京都の認証を受けました。顧みられない病気で苦しむ人びとを支援するため、DNDi本部や地域オフィスと連携し、日本国内外のパートナーとの協働による研究開発プロジェクトの支援、それに関連する日本国内外での能力開発ならびにアドボカシー(様々な関係者への働きかけ)と資金調達に取り組み、低中所得国の人びとの保健医療、福利厚生に貢献しています。
DNDi Japan 事務局代表
中谷 香(なかたに かおり)
【略歴】
日本やアメリカの非営利組織、UNAIDSなどの国際機関や国際協力機構 (JICA) などの公的機関にて国際協力に従事。アフリカ、カリブ、東南アジア地域において、感染症、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC) など公衆衛生分野を中心に、プロジェクト運営、技術協力、人材育成といった多岐にわたる案件に携わる。2013年から4年間は保健の専門家としてJICAミャンマー事務所に駐在、国際機関・欧州ドナー連携を主導するとともに、日本の民間企業のミャンマーにおける市場開拓などに助言を行うなど、幅広い業務に従事した。直近では、タイにおいてJICA技術協力プロジェクトに従事し、タイの国民皆保険制度の改善のための提言取りまとめや人材育成、アドボカシーなどに携わる。2020年1月から現職。
事務局代表メッセージ
国民皆保険制度がいち早く実現した国の一つである日本で生活していると、世界では有効な治療薬がない、もしくはそれらにアクセスすることができないことで、毎年何百万人の人びとが亡くなっているということが信じられないかもしれません。そして市場原理任せでは、貧困に苦しむ社会的な弱者に偏る病気は見過ごされ続け、さらに生活環境が悪化するという悪循環を招いているのが現実です。
DNDiは、そうした医療から取り残された人びとのために、非営利で治療薬および治療法の開発に取り組む研究開発組織です。創設以来20年近くで、12の治療薬・治療法を開発し、必要とする人びとに確実に届けてきました。それを可能にしているのは、意思決定と行動が明確なミッションに結びついており、独立した立場の専門家が研究開発の方向性を審議するなど、組織内外から信頼される、透明性の高い組織運営を行っている点ではないかと考えています。
私は、これまで約20年間、国際保健分野の中でも予防領域を中心に携わってきました。そして、「予防」と「治療」、そして「アクセス」のすべてが実現することの重要性を肌で感じてきました。それだけに、DNDiという組織を知った時、非営利組織(NPO)が治療薬を開発、しかも新薬をということに驚くと同時に、関心を持ちました。
医療の不平等という社会問題の解決を目指す点は、他のNPOと重なる部分があるかもしれません。でも、多数の疾病を対象としているため非常に幅広い研究開発ポートフォリオを有している、世界中の第一線の研究機関と協働している、病気が発生する国で臨床試験を実施できる能力を持つという点は、NPOだけでなく、他の民間の製薬企業と比較しても、非常にユニークなDNDiの特徴だと感じています。
そして、世界中の産官学のリソースをコーディネートし、成果につなげる指揮者としての役割を自認するDNDi自体も、世界各地に地域事務所を持ち様々な文化を背景に持つ人びとで構成される、国際色豊かな組織です。世界各地の仲間達とフラットでオープンな議論を行いながら、共通の目的のためにそれぞれが役割を果たしています。地域事務所であるDNDi Japanもその一員として、「顧みられない病気」という世界的な課題の解決に日々組んでいます。
組織概要
名称 | 特定非営利活動法人 DNDi Japan |
所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿 6-12-1 パークウエスト3F |
電話番号 | 03-6258-0303 |
設立年月日 | 2009年11月24日 |
理事長 | 野崎 智義 |
副理事長 | ルイス ピサロ |
理事 | 山田 陽城 平林 史子 |
監事 | ローレンス ヴィエルフォール |
事務局代表 | 中谷 香 |
私たちの取り組み
利益よりも患者を優先
DNDiは、世界中の200を超えるパートナーによる「仮想オーケストラ」の指揮者的な役割を果たし、利益追求ではない患者のための治療薬・治療法を開発しています。公的機関、民間企業、学術機関、非営利団体、慈善団体らパートナーシップを結び、各パートナーの独自の専門知識を活用して、顧みられない病気で苦しむ人びとのためのイノベーションを推進しています。