東京/ジュネーブ – 2026年5月12日 – DNDi(顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)は、真菌性マイセトーマに対するホスラブコナゾールの多国間臨床試験および承認に向けたプロジェクトに対し、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)から3億3,100万円(約180万ユーロ)の新たな支援が決定したことをお知らせします。本支援により、医療資源の限られた疾病蔓延地域に暮らす患者のニーズに応えるよう設計された新規経口抗真菌薬であるホスラブコナゾールの開発を前進させ、真菌性マイセトーマ患者に新たな治療薬を届けることを目指しています。
本プロジェクトの目的は、真菌性マイセトーマの治療薬として開発中のホスラブコナゾールについて、疾病蔓延地域の多様な環境下における有効性、安全性および薬物動態に関する追加的な臨床エビデンスを創出し、WHOの推奨取得および疾病蔓延国における将来的な薬事承認につなげることです。これには、真菌性マイセトーマの主な原因菌の一つであるMadurella mycetomatis以外の原因菌に対する有効性に関するエビデンス創出も含まれています。
真菌性マイセトーマは、時間をかけて進行し、組織を破壊していく深刻な「顧みられない熱帯病」で、身体障害、手足の切断、さらには収入の喪失や社会的偏見につながることが少なくありません。本疾患は主に、アフリカ、アジア、南米の医療資源が限られた農村部の人々に影響を及ぼしています。正確な実態は十分に分かっていませんが、世界全体では10万人以上がこの病気を抱えている可能性があり、毎年数千件の新規症例が発生していると推定されています。
ホスラブコナゾールは、エーザイ株式会社が創製し、日本では爪白癬治療薬として承認されている経口アゾール系抗真菌薬です。スーダンで実施された真菌性マイセトーマに対する第II相臨床試験において良好な安全性と有効性が示唆されており、真菌性マイセトーマ患者にとってより負担の少ない新たな治療選択肢となる可能性があります。現在の真菌性マイセトーマ治療薬は、長期間にわたり毎日服用する必要があり、副作用も見られることから、治療の継続が難しいことが挙げられています。一方、ホスラブコナゾールは週1回の服用で、食事と一緒に服用する必要がなく、薬物間相互作用のリスクも低いことから、特に農村地域においても治療を継続しやすいという利点があります。また、服用錠数が少ないことで、薬剤の配送コストや患者の費用負担を抑えることができ、より広く利用しやすい手頃な治療法となることが期待されます。
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マイセトーマ | DNDi Japan
DNDi について
Drugs for Neglected Diseases initiative(顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ:DNDi)は、顧みられない人びとのために、安全で効果的、かつ安価な治療薬・治療法を発見、開発し、提供する非営利の研究開発組織です。DNDiは、アフリカ睡眠病 (別名ヒト・アフリカ・トリパノソーマ症)、リーシュマニア症、シャーガス病、河川盲目症(別名オンコセルカ症)、マイセトーマ(菌腫)、デング熱、小児HIV、クリプトコッカス髄膜炎、C型肝炎に対する医薬品を開発しています。また、子供の健康、ジェンダー平等、性差の考慮、気候変動の影響を受ける病気などを研究開発上の優先事項としています。2003年の設立以来、DNDiは世界中の産官学パートナーと協力し、14種類の新しい治療薬・治療法を提供し、数百万人の命を救ってきました。アコジボロールはDNDiが開発した14番目の新しい治療薬です。www.dndi.org|www.dndijapan.org
Photo credit: Lameck Ododo-DNDi
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DNDi Japan 広報担当 野田 葉子
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