
非営利で医薬品研究開発に取り組む、DNDi(Drugs for Neglected Diseases initiative:顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)はこのほど、エーザイ株式会社(以下「エーザイ」)とのデング熱やジカ熱に対する新薬候補化合物探索プロジェクトに対し、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下「GHIT Fund」)から約1,270万円(約7.7万ユーロ)の資金支援が決定したことをお知らせします。
2024年11月から開始された1年間の本プロジェクトにおいて、エーザイとDNDiは新薬開発の起点となるシード化合物の同定を目指します。具体的には、エーザイの保有する化合物ライブラリーから約20,000の化合物をスクリーニングし、デングウイルスやジカウイルスなどに対して抗ウイルス活性を示す新規化合物を探索します。
デング熱やジカ熱は、サハラ砂漠以南のアフリカ、南米、東南アジアで猛威を振るっているフラビウイルス感染症です。これらの疾患はマラリアと同様に蚊によって媒介される感染症で、気温上昇や降雨パターンの変化を含む気候変動により、大流行の規模の拡大や地理的な広がりを見せています。将来的に世界で約40億人が感染リスクにさらされると予測されています。現時点では、これらのフラビウイルス感染症に対する有効な治療薬は存在しません。特に、軽症から重症化への進行を抑制する治療薬の開発が急務となっています。
エーザイとDNDiは、2009年以来、リーシュマニア症、シャーガス病、そしてマイセトーマといった、顧みられない熱帯病に対する新規治療薬の開発に共に取り組んできました。また、これらのプロジェクトは2013年以降、GHIT Fundの支援を受けています。
DNDiについて
Drugs for Neglected Diseases initiative(顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ:DNDi)は、顧みられない人びとのために、安全で効果的、かつ安価な治療薬・治療法を発見、開発し、提供する非営利の研究開発組織です。DNDiは、アフリカ睡眠病 (別名ヒト・アフリカ・トリパノソーマ症)、リーシュマニア症、シャーガス病、河川盲目症(別名オンコセルカ症)、マイセトーマ(菌腫)、デング熱、小児HIV、 HIV患者の重症日和見感染症 、クリプトコッカス髄膜炎、C型肝炎に対する医薬品を開発しています。また、子供の健康、ジェンダー平等、性差の考慮、気候変動の影響を受ける病気などを研究開発上の優先事項としています。2003年の設立以来、DNDiは世界中の産官学パートナーと協力し、13種類の新しい治療薬・治療法を提供し、数百万人の命を救ってきました。www.dndi.org | www.dndijapan.org
【本プレスリリースに関するお問い合わせ】
DNDi Japan 広報担当 野田 葉子
ynoda@dndi.org/ 電話: 070-4465-5453
https://dndi.org/press-releases/2025/ghit-support-new-collaboration-with-eisai-for-dengue-and-zika/PDF英文プレスリリース
Photo credit: Xavier Vahed-DNDi