東京/ジュネーブ発 – DNDi – Drugs for Neglected Diseases initiative (拠点:ジュネーブ)と特定非営利活動法人DNDi Japanは、日本の政府と製薬企業及びビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の支援によるグローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」の設立を歓迎します。
GHIT Fundは、日本の製薬業界の科学技術、専門知識を活用することで、顧みられない病気に対する研究開発プロジェクトを支援し、製品開発パートナーシップ (PDP)、日本の製薬企業、ならびに大学や研究機関および学界などの公的部門間の共同研究を促進します。患者の多くが途上国の最貧困層の人々である顧み られない病気に対する技術革新を加速するために、この10年間に進められてきた様々な取り組みがさらに強化されると期待されます。
「顧みられない病気に対する研究開発を長期的に推進し、病気に苦しむ人々がその成果の恩恵を受けられるように保証するため特別な支援が必要とされている今、GHIT Fundという新しい担い手が設立され、私たちは非常に心躍る思いでいます」DNDi のエグゼクティブ・ディレクターであるベルナール・ぺクール博士は述べています。
DNDi は2003年の設立以来、日本の公的セクターや民間セクターと積極的に協力してきました。 東京大学と、アフリカ睡眠病治療薬アスコフラノンの研究開発、及びバングラデシュにおける内臓リーシュマニア症研究センターの設立で協力、また北里研究所 とは、新薬候補探索のための天然物スクリーニングプロジェクトを実施し、アジア地域スクリーニングネットワークを設立しました。現在、製薬企業とのプロ ジェクトが進んでおり、エーザイ社とラブコナゾールのプロドラッグのシャーガス病治療のための共同開発プロジェクト(臨床試験)、アステラス製薬とアフリ カ睡眠病、リーシュマニア症、シャーガス病の治療薬開発を目指した創薬プロジェクトを実施しています。
DNDi Japan理事長である山田陽城教授は述べています。「GHIT Fundの設立を嬉しく思い、創設パートナーの 皆さんに心からお祝い申し上げるとともに、これからの活動を応援します。アフリカ睡眠病、リーシュマニア症、 シャーガス病、フィラリア感染症、小児HIV感染症のような顧みられない病気について、新しい治療薬を開発するため、私たちも日本のパートナーと協力し、 新たな努力をしていきたいと思います」
DNDi – Drugs for Neglected Diseases initiative(顧みられない病気のための新薬イニシアチブ) DNDi はねむり病(ヒトアフリカ睡眠病)、シャーガス病、リーシュマニア症、蠕虫(フィラリア)感染症、小児HIV症など、最も顧みられない病気のための新しい 治療薬を開発するための非営利研究開発団体です。2003年の設立以来、マラリア合剤2種類、(ASAQおよびASMQ)、アフリカ睡眠病感染後期のため のニフルチモックス・エフロルニチン併用療法(NECT)、アフリカにおける内臓リーシュマニア症のためのスチボグルコン酸ナトリウム・パロモマイシン (SSG&PM)併用療法、アジアにおける内臓リーシュマニア症のための一連の併用療法、小児のシャーガス病患者の治療によるベンズニダゾールの 小児用製剤といった顧みられない病気の患者のための新しい治療薬を6種類提供してきました。DNDi は、国境なき医師団(MSF)、インド医科学評議会(ICMR)、ブラジルのオズワルド・グルーズ財団(FIOCRUZ),ケニア中央医学研究所 (KEMRI)、マレーシア保健省、フランスのパスツール研究所により設立され、国連熱帯病研究訓練特別計画(WHO/TDR)が常任オブザーバーを務め ています。
プレス連絡先
DNDi ジュネーブ本部:
Violaine Dällenbach, vdallenbach@dndi.org
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特定非営利活動法人DNDi Japan
平林 史子、 fhirabayashi@dndi.org
Tel: 03 6304 5588 / 携帯: 090 8240 6330